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不具合予測ツールに関する産学連携プロジェクトの共同研究論文を発表

プレスリリース 2021年03月31日

ソフトウェアのテスト・品質向上支援に関するサービスを提供するバルテス株式会社(本社:大阪市西区、東京都千代田区 代表取締役社長:田中 真史、以下当社)と京都工芸繊維大学(所在地:京都市左京区、学長:森迫 清貴、以下「京都工繊大」)の産学連携による共同研究論文「テキスト分類による不具合予測システムの実装と企業環境での評価」が、2021年1月26日(火)に電子情報通信学会にて発表されました。

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研究サマリー

・開発現場で実際に活用することができる不具合予測ツールの作成を目的とした研究を実施
・京都工芸繊維大学 水野研究室が、不具合予測ツール「CodeLamp(コードランプ)」を開発
・ツール開発にあたり、当社グループ企業自社開発のWebアプリにおける開発・テストデータを提供
・当社グループ会社の開発現場でツールを適用し、改善点をフィードバックすることで研究に協力
・今後は、ツールの現場適用で明らかになった課題の改善に着手

研究の背景

通常のソフトウェア開発工程において、不具合(バグ)を検出するためのテスト工程は、開発の終盤で実施されますが、開発工程の早期に不具合を発見することができれば、修正労力の低減やコストカットに繋がります。そのため、これまで不具合の予測を目的とした多くの研究がされてきましたが、実際の開発現場で利用できる実用的なツールは存在しませんでした。そこで、開発現場で実際に活用できる不具合予測システムの作成を目的とし、本研究の実施に至りました。

研究内容と結果

本研究において、京都工芸繊維大学 水野研究室が不具合予測を行うことができるツール「CodeLamp」を開発しました。「CodeLamp」は 、Eclipse(※1)プラグインとして利用することができるもので、ソースファイル(※2)、及び Git コミット差分(※3)について、テキスト分類(※4)に基づいたバグ予測を行うことができます。

当社は、「CodeLamp」の開発に際し、当社グループ会社の開発会社であるバルテス・モバイルテクノロジー株式会社(以下、VMT)が自社開発したWebアプリの生データ及びそのテスト結果データを提供しました。また、「CodeLamp」開発後は、VMTの開発現場で実際に利用し、ツール評価を大学側に提示することで研究に携わっています。

開発現場で適用した結果、不具合予測の精度やツールのインターフェイスといった改善点が明確になりました。今後は、より実用的なツールにするべく改善に注力し、当社の企業理念である、「品質にコミットし、安心・安全なICT社会の実現に貢献」の実現に向け、研究を進めてまいります。

用語解説

※1 Eclipsee:Eclipseeは Javaで実装された統合開発環境であり、オープンソースソフトウェア(OSS) として提供されている。数ある統合開発環境の中でも特にユーザ数が多いと考えられるため、今回のツール開発における基盤として採用された。
※2 ソースファイル:プログラミング言語で書かれたソースコードを記録したファイル。
※3 Gitコミット:Gitとは、開発などで広く使われる「分散型バージョン管理システム」なるもので、ファイルの変更履歴を保存・追跡するための仕組み。変更を記録することは「コミット」と呼ばれ、このコミット単位ごとに履歴が管理・追跡される。
※4 テキスト分類:自然言語テキスト内のパターンを認識するようにトレーニングされた機械学習モデル。

論文掲載概要

・題名:テキスト分類による不具合予測システムの実装と企業環境での評価
(An Implementation of Text-classification Based Fault-prone Module Detection and Its Application to Industrial Environment)

・著者:水野 修(1)、 黒田 翔太(1)、 石原 一宏(2)、 山下 大輔(3)

(1) 京都工芸繊維大学
(2) バルテス株式会社
(3) バルテス・モバイルテクノロジー株式会社

・発行元組織:電子情報通信学会
・論文ダウンロード先:https://se.is.kit.ac.jp/pman/pman3.cgi?D=900
 ※上記ページ内の、「論文電子ファイル」欄よりご覧ください。

京都工芸繊維大学 水野研究室について

2007年に発足したソフトウェア工学研究室。ソフトウェア開発のリポジトリマイニング、そのマイニングを通じたバグの検出方法の確立といった、ソフトウェア開発を可視化する技術を研究しています。